ヘッドフォン祭アワード2019秋、全製品のトップに立つのはこのモデル!
Technics EAH-TZ700
![EAH-TZ700]()
10月12日に台風19号の襲来で延期となりヘッドフォン祭の前の週、10/27の開催となった「発売前試聴会」
にも多くの方がお越し頂きましたが、その直後のヘッドフォン祭でも大人気!
Technics EAH-TZ700
写真で見るより小型で軽量。ダイナミックとは思えない粒立ちと低音の量感が両立している。磁性流体でフリーエッジにしているのが効いてるらしい。#hpfes #ヘッドホン祭り pic.twitter.com/sK6IaHuBVE— kana C96 4日目 ありがとうございました! (@fairy_9) November 2, 2019
ヘッドフォン祭Technicsイヤフォンに行列、並んで聴きたい音。EAH-TZ700がオープンなイベントで一般に公開されたのは初めて。発売前に聴けるチャンス! https://t.co/rWKAUcMXka pic.twitter.com/br66XnXiRd
— ASCII.jp編集部 (@asciijpeditors) November 3, 2019
ヘッドホン祭行ってきた!
Technics EAH-TZ700。
個人的にこれで聞くラルクは最高だった✨12万か…。#hpfes pic.twitter.com/rIGooGTCte— さわ@ラルク待機 (@CHspSwtYszQNgyA) November 3, 2019
Technics EAH-TZ700
先週のフジヤさんでの試聴会でも聞きましたが、クリアなサウンドで空間表現も豊かなイヤホンでした。
販売価格が120,000円(税抜)で殆ど値引きも無しなTechnicsブランド。
見た目に高級感が無いのが少し残念ですが、1度聴いたらまた聴きたくなるイヤホンですね。
#hpfespresent pic.twitter.com/RYcwYBuEwU— オラフさん‼️
ฅU•ﻌ•Uฅ
(@olamin2003) November 2, 2019
一般投票でも多くの票を獲得、会場での評判も上々。テクニクスブランド初のイヤホンとして恥ずかしくない、どころか数多く並んだ強豪とのガチ対決の場でもあるヘッドフォン祭会場での支持率が高かったこと、国内のハイレゾ対応のダイナミック型ドライバー搭載インサイドホンとしては業界で初めて磁性流体を用いたダイナミックドライバーを搭載した技術などが、今回グランプリ金賞選出の決め手となりました。もちろんイヤホン部門の金賞も受賞しています。
・・・ということで、恒例のトロフィー授与がてら、東品川のパナソニック株式会社へお邪魔してきました!フジヤの中の人も、パナソニックのオーディオ部門の方にお会いするのは初めて。
出迎えて頂いたのは、パナソニック コンシューマーマーケティング株式会社の方々の他に、こちらのお二人。
パナソニック株式会社 アプライアンス社 スマートライフネットワーク事業部 スマートコミュニケーションビジネスユニット ヘッドホンカテゴリーオーナー 大田 馨子(おおた けいこ)氏【写真左】
パナソニック株式会社 アプライアンス社 スマートライフネットワーク事業部 スマートコミュニケーションビジネスユニット ハードウェア開発部 開発1課 主幹技師 小長谷 賢(おばせ さとし)氏【写真右】
フジヤエービック(以下「フ」)はじめまして!この度は、ヘッドフォン祭アワード2019秋 グランプリ金賞おめでとうございます。
パナソニック(以下「パ」)ありがとうございます。ヘッドフォン祭会場でも2日間にわたり本当に多くの方にお聴き頂き、お客様からのご支持も多数頂きました、改めてお越し頂きましたお客様に御礼申し上げます。
フ:早速ですが、EAH-TZ700の開発は、いつごろスタートしましたか?
パ:それにはまず、今回EAH-TZ700に使われた「磁性流体」の開発のお話からさせて頂きます。
磁性流体(Magnetic Fluid):Wikipedia
パ:磁性流体のダイナミック型ドライバーへの応用は、10年ほど前にスピーカー部門で研究が始まりました。※小長谷氏は元々スピーカー開発チームに所属、SB-Mシリーズなどを手掛けてきた。
パ:イヤホンのドライバーへの応用は約4年前、そのあたりでようやく量産化のめどが立ち、3年ほど前からこの技術を取り入れた製品のテクニクスブランドでの展開を検討してきました。
フ:磁性流体を使うことで、ダイナミックドライバーはどう変わるのですか?
パ:EAH-TZ700のドライバーユニットの場合、磁性流体はボイスコイルの内側に少量入れていて、主にボイスコイルのリニアな動作部分に効くような設計となっています。
パ:磁性流体のメリットとして挙げられるのは、次のようなことになります。
1.ドライバーの振動部分自体が余計な動きをしなくなり、入ってきた電流に対するボイスコイルの正確な動作をするようになることで、 低い歪み率を実現します。
フ:入力に対してリニアなモーションをする、ということで間違いないですか。
パ:そうですね。ダイナミック型ユニットの場合もう一つ大きいメリットは、f0(エフゼロ=最低共振周波数)を下げられることです。これは低域に大変効いてきます。
フ:f0が低いという事は、無理に低音を作り出さなくても済むということですね。
パ:はい。ユニット自体が低域まで無理なく音を出せることで、超低域まで自然な音質を実現しやすくなしました。当社では「プレシジョンモーションドライバー」と呼んでいます。
フ:振動版は特殊アルミニウム素材という事ですが、この一見普通に見えるドライバー一発で、3 Hz ~ 100 kHzという超広帯域をカバーしているのがすごいですね。
パ:それも磁性流体により振動板をリニアに動かせるようになった賜物ですね。アルミニウムも、スピーカーのツイーターでも使っていますから素材はよく理解していて、ハイレゾとされる周波数の倍以上の再生能力を持っています。ちなみに磁気回路も通常のイヤホンの1.5倍以上の磁束密度を持つ強力なマグネットを採用しています。
フ:次はハウジング部分についてお伺いします。この「アコースティックコントロールチャンバー」について、どういうものなのか教えて頂けますか。
パ:アコースティックコントロールチャンバーはドライバーの後端に配置されていて、単独ではなくイヤホン全体の空気の流れを精密にコントロールする空気室です。コンピューターシュミレーションを繰り返し、ドライバーの持つ超広域性能を活かすフラットなエネルギーバランスを実現させています。
フ:ヘッドフォン祭の来場者の方からも、申し訳ありませんが10万円超えのモデルだからもっと見栄えが良く・・・という感想が聞こえましたが
パ:このハウジングは、音質を追い求めるために「異種金属を組み合わせた」構造となっています。まずポートハウジング側にはチタンを、ポートハウジングやドライバーの後端に配置されているアコースティックコントロールチャンバーなどを収めるメインハウジングには軽量で振動減衰特性にすぐれたマグネシウムダイカストを使っています。これにより振動を分散・抑制しています。
フ:なるほど、異種金属の組み合わせで共振などを防ぐ手法ですね。
パ:そしてとことんこだわったのは「装着感」です。着けているのを忘れるように、が目標で、パナソニックの製品は安くても高くてもこの点を重視しているのですが、EAH-TZ700については特に徹底的にミニマライズ&軽さを追求し、フィット感を上げるメインハウジング後部の「えぐり方」などは色々試しました
フ:変な高級感よりも「メタル」として安心できる筐体だと思いますが、大きさや形状にも相当なこだわりを持たれているようですね。
パ:イヤホンメーカーであれば耳型は数多く採取しているはずで当社にも多くの測定値を保存しています。その中で様々な人に気持ちよくイヤホンを楽しんで頂くためにも、小さく軽く、耳にフィットする形状というのは絶対条件ですね。
フ:あらゆる点で「楽しく良い音を聴かせる」ことを追求しているのですね。
パ:その点は、最も大事だと思っています。それを十分実現するために、EAH-TZ700はドライバーを含む主要部品の生産組み合立ては国内でおこなっています。

小長谷 賢(おばせ さとし)氏
フ:当社でもイヤチップの大切さを力説していて、最近はイヤチップに関する関心度が高まってきているように感じます。そこでEAH-TZ700の付属イヤチップですが、面白いのはシリコンで「円」の他に「楕円」タイプも同梱していますね。
パ:そこ気づいて頂けましたか(笑)これもハウジング同様、耳型などから真円タイプだけではどうしても隙間をなくすために無理に大きなサイズを耳に押し込むようになる、それでは当方の想定する音が出ないので、こちらにも時間をかけました。
フ:普通はフォームチップ系を同梱させて耳穴に押し込んでふさぐのが主流ですね。
パ:実はEAH-TZ700のイヤチップは、各社の平均より少し小さめなんですよ。それは耳穴の小さな女性の方などへも最大限配慮した結果ですが、最大限配慮した結果ですが、イヤチップのサイズは、通常「M」でしょうが、実は、EAH-TZ700本体に装着のデフォルトサイズは「L」がついているんです。これは大田の発案で・・・
フ:へぇ~!メーカー系で女性の方はまだ珍しいと思うのですが、女性にも配慮しつつ、そのような判断をされるのはさすがですね。試聴するのは、まず男性がほとんどなので、それ私も正解だと思います。

大田 馨子(大田けいこ)氏
パ:女性といえば、当社の小川も開発初期の頃から聴いてもらっていたんですよ。私(大田氏)もイヤホンで弦楽器を鳴らしきるものは少ないので、開放型ヘッドホンの鳴り方のイメージを持って開発に参加しました。
フ:なるほど、小川理子テクニクス事業推進室長は自らミュージシャンでもありますものね。
フ:さて、EAH-TZ700は2019年11月15日から販売開始となり、おかげさまでフジヤエービックでも好評をいただき、売れ行きも上々です(^^)
パ:ありがとうございます。テクニクスブランドの製品には、「お客様の期待値以上の製品が提供できるとなったときに販売する」というポリシーがありますが、テクニクスブランド初のイヤホンを出すにあたっては、我々に出来る限りの想いを込めたつもりです。ぜひフジヤエービックさんなど販売店の店頭でご試聴頂ければと思います。

フジヤエービックではTechnics EAH-TZ700の試聴用デモ機を常備しています。
フ:ところで、これはお客様からのご要望も多く、確認しなければいけないことなのですが、ケーブルのバリエーションは今後・・・
パ:4.4mmのことですよね(笑)ご要望は頂いておりますので、現在検討中です。
※EAH-TZ700には3.5mm3極と2.5mm4極の2つのケーブルが付属。
フ:本日はありがとうございました!重ねておめでとうございます、この素晴らしいイヤホンを広めていきたいと思います。
下の写真は、同席頂いたパナソニックコンシューマーマーケティングの方々もご一緒に。
Technics EAH-TZ700は好評発売中ですが、ネット販売は致しておりません。(製品のお取り置きに関してはWebからでも可能です)ぜひ中野ブロードウェイ3Fのフジヤエービック店舗にお越し頂き、買う買わないは別として一度その音を確かめてみて下さい。
Technics EAH-TZ700 フジヤ価格132,000円
【店頭販売のみ】
本日12月3日が秋のヘッドフォン祭2019のちょうど1か月後ですが、ヘッドフォン祭アワード2019秋の表彰全公開はもうしばらくお待ちください!今週中には公開予定です。